鳥取銀行

医療支援

case02

鳥取県鳥取市
内科・消化器内科 片原ごとうクリニック

後藤 大輔

医師になられたきっかけはなんですか?

最初に医者になろうと思ったきっかけは、私が幼稚園に通っていた頃、祖父が脳梗塞で倒れて、それを治してあげたいと思ったことでした。専門を選ぶにあたっては、自分が子どもの頃、扁桃炎などによくかかっていたことから、喉に興味を持って耳鼻科医を目指しました。
実際に、研修医の途中までは耳鼻科医か、皮膚科医、もしくは形成外科医になる予定でした。でも、研修医になって耳鼻科の先生に教わっているときに、私がある患者さんに消化器の薬を処方しようとしたところ、「それは耳鼻科の仕事じゃないからしなくていい」と言われてしまって。その一言で、耳鼻科医になるのをやめました。今となっては、その先生の仰ることもよく分かるんですけど、そこで興味を失ってしまいましたね。
耳鼻科を目指すのをやめて救急医を考えていた時期に、「この先、一生触らないかもしれないから、今のうちに胃カメラも練習しておいたら?」と先輩に勧められて、胃カメラを経験してみたところ、先生たちから「上手だね」「センスがあるよ」と褒められ(おだてられ?)、消化器内科も視野に入りました。消化器内科は、身体全体の診療を行う上に、さらに救急や外科に近い処置を行い、胃カメラの際に喉も診るので、「自分のやりたいことを全て兼ねるんだ」と気づき、最終的に消化器内科を選びました。

開業しようと思われた理由はなんですか?

もともと、医学部に進学するときから開業医志望でした。耳鼻科を選択しようと思ったのも、ゆくゆくは開業しようと思っていたからですし、いずれの科にしても『いつかは開業できる科』がよかったんです。
学生時代は経営学にも興味があり、医療経営がしてみたいと思っていました。経営学と医師免許(国家試験)、どちらを先に身に付けるかの優先順位をつけて、医学部に進学しました。その後、病院勤務医時代に、病院から病院へ移って収入が大きく下がった時期があって、「よし、開業しよう!」と思い切りました。
開業するにあたっては、「地盤(土地)・看板(ブランド)・鞄(お金)」の準備が必要でした。看板は自分でどうにかするとして、お金は、どうしたらいいか分からなかったので、銀行に相談しました。開業に向けてのさまざまな準備を相談するためのコンサルも探しました。私は土地を探したのが最初でしたが、色々なツテを辿って色々な土地を見に行って、最終的に現在地に落ち着きました。

鳥取銀行の支援について

鳥取銀行さんには、多種多方面でお世話になりました。融資はもちろん、収支計画を出してもらったり、取引をする会社さんを紹介してもらったりと、いろいろ情報提供いただきました。相談相手は、その地に根ざしている銀行が良いですね。地元で開業するにあたり、近くですぐ相談できる金融機関でないと、難しいですよね。鳥取銀行さんは、いちばん親身になって、いろいろサポートしてくださったと思います。

勤務医時代と開業してからの違いはなんですか?

勤務医時代は、消化器内科の処置だけに注力していればよかったのですが、開業して患者さんを診察していると、整形外科的な内容など、他の科の症状に接することが増えました。一方で、胃カメラ検査の予約ひとつをとっても、今までは病院の動きに則って動かなければならなかったのですが、開業医は全て自分が主体で決めることができ、検査もすぐにできます。
生活面での一番の違いですが、勤務医の時は当直があると夜は病院に泊まって、また昼に働いて…という形でしたが、開業してからは、夜は家で寝られるようになりました。勤務医の頃は、前日に仕事をして、当直があって、寝られないまま翌日の仕事をするという丸2日働きどおしということも、ざらにありました。
病院の勤務形態としては、基本的に週に1-2回の外来があり、内視鏡の検査や入院病棟の患者さんの処置をして、月に3回ほどのペースで当直がありました。

土日は一応休みということになっていましたが、当直が入ることもあり、入院患者さんの様子を見に行くこともありましたので、丸一日フルで休みではないこともありました。
開業してからは、日曜・祝日は完全に休みになりましたね。日曜・祝日や木曜・土曜午後の休診時間でも電話はかかってきますけど。開業された先輩医師に聞くと、午前9時に出て午後6時には帰っているという人もいます。私はさすがに6時には帰れないですが…
 あとは、生活にルーティーンが作りやすくなりました。家族といられる時間も増え、子どもと遊んだり、旅行に行ったりもできます。夜に子どもと遊ぶことは、勤務医時代は絶対にできなかったことで、勤務医の頃は「家に帰ってこないお父さん」でしたが、開業医になってからは「起きている間に家に帰ってくるお父さん」です。子どもがクリニックに遊びに来ることもあり、職場見学にもなっていると思います。

医師のやりがいはなんですか?

医者をしていてうれしいことは、患者さんに「ここで診てもらってよくなった・治った」「これまで医院を転々としてきたけど、ここに来てよかった」と言われることですね。そういう言葉をかけていただくと、より一層がんばろうと思えます。

これからの展開を教えてください。

最初の5年間は、なるべく右肩上がりで行きたいと思っていますし、その後は、患者さんに安定して医療が提供できる体制で続けていくことを目指しています。ゆくゆくは、鳥取東部地域内だけでなく、他の地域からも来てもらえるようなクリニックにしていきたいと思っています。

最後にこれから開業する先生方へのアドバイスをお願いします

開業を考えるにあたり、どう差別化を図るかが重要です。鳥取では、物静かで考えを内に秘めている「守り」のキャラクターの方が多いので、輪を乱さず、でも差別化を図りつつのバランスをとった姿勢が大事だと思います。医師会ともうまく付き合っていく方がいいと思います。これは、鳥取県東部医師会の理事としてのアドバイスでもあります(笑)。自分の強みを活かすことが大事ですし、そういったことが考えられる医師は開業に向いています。これからは「攻めの開業」ですね。あまり年を重ねてくるとしんどいので、40代半ばぐらいまでに開業することをおすすめします。

医療支援に戻る

内科・消化器内科 片原ごとうクリニック

医療支援に戻る