
株式会社 山陰運送
- 会社概要
- 本社住所
- 鳥取市湖山町東2-211
- 代表者名
- 楮原 章吾
- 創業
- 66
- 社員数
- 27
数字で見る株式会社山陰運送
株式会社山陰運送のSDGs/ESG詳細診断では、総合スコアは26.3点で、業界平均31.2点をやや下回る結果となりました。一方で、環境分野では33.5点と業界平均27.4点を上回っており、特に「環境管理」は70.39点と、業界平均17.70点を大きく上回る強みとして示されています。
数字で見る山陰運送
E(環境)
33.5
ポイント
業界平均 27.4ポイント
環境管理
70.39
ポイント
業界平均 17.70ポイント
廃棄物排出量 / 売上高
0
t / 百万円
業界平均 0.0229t / 百万円
有給休暇消化率
60.0
%
業界平均 55.8%
男性育児休業取得率
100
%
業界平均 53.1%
リスク管理
39.17
ポイント
業界平均 35.85ポイント
地域の「あたりまえ」を運ぶ仕事
物流は、日々の暮らしや地域経済を支える仕事です。
商品が届く。資材が動く。地域の事業者が予定通りに仕事を進められる。
そうした一つひとつの「あたりまえ」の裏側には、道路を走り、荷物を運び、時間を守る現場の積み重ねがあります。
株式会社山陰運送は、鳥取市湖山町東に本社を置く、地域に根ざした運輸会社です。大きな会社ではなく、従業員27人のコンパクトな組織だからこそ、現場と経営の距離が近く、日々の改善を積み上げやすい。そこに、同社らしい持続可能性の土台があります。
今回の診断で特に光ったのは、環境管理の高さです。環境管理スコアは70.39点。業界平均17.70点を大きく上回りました。運輸業は燃料使用や配送ルート、車両管理などを通じて環境負荷と向き合う業種です。その中で、環境に関わる管理意識が高く評価されたことは、山陰運送の大きな価値といえます。
また、廃棄物排出量 / 売上高は、診断上0 t / 百万円と示され、業界平均0.0229 t / 百万円を上回る結果となりました。これは「廃棄物を一切出さない」と断定するものではなく、診断上の入力・集計に基づく数値ですが、少なくとも、同社の事業運営において廃棄物負荷が大きな課題として表れていないことを示しています。
強みは、環境管理と“休みを取りやすい”職場づくり
サステナビリティというと、再生可能エネルギーや温室効果ガス削減といった大きなテーマが思い浮かびます。もちろん、それらは重要です。
ただ、中小企業にとってのサステナビリティは、もっと足元から始められるものでもあります。
たとえば、働く人が休みを取りやすいこと。
育児や家庭と仕事を両立しやすいこと。
事故やトラブルを防ぐために、日々の安全管理を積み上げること。
これらも、会社が長く続くために欠かせない取り組みです。
山陰運送では、有給休暇消化率が60.0%と、業界平均55.8%を上回っています。さらに、男性の育児休業取得率は100%と、業界平均53.1%を大きく上回る結果となりました。運輸業は人材の採用・定着が大きな課題になりやすい業種です。その中で、休暇や育児との両立に関する良い数字が出ていることは、従業員を大切にする会社づくりの芽として評価できます。
また、リスク管理スコアは39.17点で、業界平均35.85点を上回っています。運輸業において、事故の未然防止、安全管理、業務継続の仕組みは、単なる社内管理ではなく、お客様や地域社会からの信頼に直結するテーマです。単年度計画と中期経営計画の両方が「策定あり」とされている点も、事業を場当たり的に進めるのではなく、一定の計画性をもって運営していることを示しています。
伸びしろは、“やっていること”を言葉と数字にすること
一方で、今回の診断では、改善余地もはっきり見えています。
たとえば、GHG排出量、電力使用量、燃料使用量など、環境負荷に関する重要データには「入力データ不足」が見られます。運輸業では、燃料使用量や配送効率、車両稼働率などが、コストにも環境負荷にも直結します。ここを月次で記録し、見える化できるようになると、環境対応は「よい取り組み」から「経営改善の道具」へ変わっていきます。
また、GHG削減目標、環境ポリシー、環境認証はいずれも未整備とされています。これは、マイナスというより、次に手をつけるべきテーマが明確になったということです。すでに環境管理の評価が高いからこそ、その実態を短い方針や目標に落とし込めば、取引先や金融機関、採用候補者にも伝わりやすくなります。
社会面では、人材育成方針が未整備であること、女性従業員比率や女性管理職比率、障がい者雇用比率などに伸びしろがあることも示されています。従業員27人の会社にとって、すぐに大企業のような制度を整える必要はありません。まずは、「どのような人材を育てたいのか」「安全・品質・接客・運行管理で何を大切にするのか」を、1枚の方針にまとめるだけでも十分な一歩になります。
山陰運送らしいサステナビリティの進め方
山陰運送のサステナビリティは、背伸びした宣言から始める必要はありません。
むしろ、同社に合うのは、日々の運行管理や安全管理、休暇取得、燃料使用量の把握といった、現場に近いテーマを少しずつ整えることです。
1. 環境:燃料・電力・廃棄物を月次で見える化する
まずは、燃料使用量、電力使用量、廃棄物量を月ごとに記録するところから始めます。
「どの車両で、どのくらい燃料を使っているか」「どの月に電力使用が増えるか」「廃棄物はどこで発生しているか」を把握できれば、ルート改善、積載効率の向上、アイドリング削減、省エネなど、現場でできる改善につなげやすくなります。
2. 人:休暇・育児との両立を採用力に変える
有給休暇消化率60.0%、男性育休取得率100%という数字は、運輸業の中で前向きに打ち出せるポイントです。
これを社内だけで終わらせず、採用広報や会社紹介にもつなげることで、「働きやすい運送会社」としての信頼を高められます。
3. ガバナンス:安全と計画を“会社の型”にする
リスク管理が業界平均を上回っていること、単年度計画・中期経営計画が策定されていることは、同社の土台です。
今後は、その計画の中に、燃料使用量、有給休暇、研修、安全教育、事故防止などの指標を少数でよいので入れていく。そうすることで、サステナビリティは特別な取り組みではなく、経営そのものに組み込まれていきます。
地域の物流を続けることが、地域の未来を支える
山陰運送の価値は、単に荷物を運ぶことだけではありません。
地域の事業者の仕事を止めないこと。
暮らしに必要なものを、必要な場所へ届けること。
働く人が安心して続けられる職場をつくること。
安全で効率的な運行を積み重ね、地域の信頼に応えること。
その一つひとつが、地域の持続可能性につながっています。
今回の診断では、総合スコアとしてはまだ伸びしろがあります。しかし、環境管理、有給休暇、男性育児休業、リスク管理といった項目には、山陰運送らしい強みがすでに表れています。
これから大切なのは、その強みを「なんとなく良い取り組み」で終わらせず、数字で測り、方針にして、社内外に伝わる形にすることです。
地域の物流を支える会社が、自社の持続可能性を高めていく。
その積み重ねが、鳥取のまちの未来を、静かに、しかし確かに支えていきます。
※数値・指標は、株式会社山陰運送向け「SDGs/ESG詳細診断レポート(2025年度)」に基づいています。











