
鳥取総合食品卸売市場
- 会社概要
- 本社住所
- 鳥取市南安長2丁目697
- 代表者名
- 德田 三明
- 社員数
- 30人未満
- 業種名
- 食品・生活必需品小売り
数字で見る協同組合鳥取総合食品卸売市場
ESG総合スコア
27.9
ポイント
業界平均 27.0ポイント
E(環境
40.8
ポイント
業界平均 21.4ポイント
S(社会)
30.5
ポイント
業界平均 25.5ポイント
労働者の権利
42.49
ポイント
業界平均 27.24ポイント
人的資本
32.93
ポイント
業界平均 24.97ポイント
取締役会カテゴリー
0
時間 / 人
業界平均 21.5時間 / 人
数値は、協同組合鳥取総合食品卸売市場向けのSDGs/ESG詳細診断レポートに基づいています。特に、環境管理と労働者の権利に強みが見られる一方、ガバナンスや各種方針の明文化には改善余地が示されています。
鳥取の食を、見えないところで支える場所
鳥取市南安長にある鳥取市公設地方卸売市場は、地域の食を支える重要な流通拠点です。青果、水産物、花きなどを扱い、鳥取県東部、兵庫県北部、岡山県北部を供給対象地域とし、約25万人の暮らしを支える役割を担っています。市場の開設は昭和48年4月1日。半世紀以上にわたり、地域の食卓と事業者をつないできた場所です。(鳥取市公設地方卸売市場)
市場の役割は、単に商品を集めて販売することではありません。生産者にとっては安定した販路をつくり、小売店や飲食店にとっては必要な商品を調達する基盤となり、地域の消費者にとっては日々の食生活を支える仕組みになります。鳥取市も、公設地方卸売市場の設置目的として、生鮮食料品等の取引の適正化と流通の円滑化、市民生活の安定を掲げています。(鳥取市公式サイト)
この意味で、協同組合鳥取総合食品卸売市場のサステナビリティは、特別な活動を外から付け加えることではありません。市場が毎日きちんと動き、必要な食材が必要な場所へ届き続けること。その営み自体が、地域社会を支える大切な価値だといえます。
強みは「環境管理」と「現場を止めない力」
今回の診断で特に目立つのが、環境面の強さです。E(環境)スコアは40.8で業界平均21.4を大きく上回り、環境管理は67.49ポイントと、業界平均7.39を大幅に上回っています。レポート上では、GHG Scope1・Scope2排出量/売上高、およびGHG総排出量/売上高がいずれも0と示され、廃棄物の排出量/売上高も0と表示されています。
食品流通の現場では、保管、運搬、冷蔵・冷凍、清掃、衛生管理など、環境負荷と向き合う場面が多くあります。だからこそ、日々の運営を安定させながら、廃棄物やエネルギー使用を管理していくことは、市場の競争力にもつながります。環境への取り組みは、単なるコストではなく、地域から信頼され続けるための経営基盤でもあります。
一方で、レポートでは、電力使用量/売上高が「高い」とされ、29,996kWh/百万円と業界平均103.95kWh/百万円を大きく上回っています。また、GHG削減目標、環境ポリシー、環境認証、再生可能エネルギー購入などは未整備とされています。
ここには、次の成長余地があります。すでに現場で積み上げられている環境配慮を、数値と方針で説明できる形に整えることです。電力、水、廃棄物、燃料などのデータを確認し、入力や集計のルールをそろえるだけでも、環境面の価値はより正確に伝わるようになります。
少人数で、多くの関係者をつなぐ
診断レポートでは、同組合の従業員総数は3人と示されています。一方、市場全体には、卸売会社、仲卸業者、関連事業者、買受人など、多くの関係者が集まっています。公開情報では、卸売会社4社、仲卸業者2社、関連事業者13社、買受人計158人が記載されています。 (鳥取市公設地方卸売市場)
つまり、協同組合鳥取総合食品卸売市場の価値は、少人数の組織でありながら、多数の事業者が安心して商いを行える場を整えている点にあります。これは、単なる施設管理ではありません。地域の生産、流通、小売、飲食、消費をつなぐ「調整力」であり、地域経済を下支えするインフラ機能です。
社会面では、労働者の権利スコアが42.49ポイントと業界平均27.24を上回っています。従業員一人当たりの月間平均残業時間は0時間/人で、離職率も0%と示されています。これは、限られた人員で運営しながらも、過度な負荷に頼らない働き方ができている可能性を示すものです。
一方、有給休暇消化率は24.8%で業界平均51.6%を下回り、人材育成方針や人権ポリシーは未整備とされています。今後は、現場の働きやすさを制度や文章として残していくことが、採用、定着、関係者からの信頼向上につながります。
ガバナンスは、次の時代へ進むための伸びしろ
ガバナンス面では、Gスコアが20.0と業界平均36.5を下回っています。取締役会、リスク管理もそれぞれ20.0ポイントで、業界平均を下回っています。また、単年度計画・中期経営計画はいずれも「策定なし」とされています。
この点は、弱みであると同時に、最も改善効果が出やすい領域でもあります。市場は、災害、火災、物流網の寸断、設備トラブルなどが起きた場合、地域の食の供給に影響が及ぶ可能性があります。だからこそ、BCP、設備保全計画、緊急時の連絡体制、関係事業者との役割分担を整理しておくことには大きな意味があります。
鳥取市公設地方卸売市場では、令和4年度から令和7年度にかけて再整備事業も進められています。市場施設が次の時代へ更新される局面だからこそ、ハード面の整備に加え、経営計画やリスク管理といったソフト面の整備も進めることで、地域にとってさらに信頼される市場になっていくはずです。(鳥取市公式サイト)
これからの一歩:市場の価値を“見える形”にする
協同組合鳥取総合食品卸売市場が次に取り組むべきことは、大きく3つに整理できます。
第一に、データの見える化です。電力、燃料、水、廃棄物、GHG排出量などの入力・集計ルールを整え、実態を正しく把握すること。現場の努力が正しく数値に反映されるようになれば、環境管理の強みはさらに説得力を持ちます。
第二に、方針の明文化です。環境ポリシー、廃棄物方針、人権ポリシー、人材育成方針などは、長い文章である必要はありません。まずは、市場として大切にしている考え方を短く整理することから始められます。大切なのは、すでにある現場の姿勢を、関係者に伝わる言葉に変えることです。
第三に、事業継続の仕組みづくりです。単年度計画、中期経営計画、BCPを整えることで、市場運営の安定性は高まります。これは、組合自身のためだけでなく、市場に関わる卸売会社、仲卸、関連事業者、買受人、そして地域の消費者のための取り組みでもあります。
地域の食卓を、明日も支えるために
サステナビリティという言葉は、ときに大きく聞こえます。しかし、協同組合鳥取総合食品卸売市場にとってのサステナビリティは、もっと身近なところにあります。
朝、市場に商品が届く。必要な人が必要なものを仕入れる。小売店や飲食店を通じて、地域の食卓に食材が届く。その流れを止めないこと。支える人たちが無理なく働けること。環境負荷を把握し、少しずつ減らしていくこと。そして、災害や変化が起きても、地域の食を守り続けられる仕組みを整えること。
協同組合鳥取総合食品卸売市場の価値は、派手な言葉ではなく、日々の安定した運営の中にあります。その価値を、数字で見えるようにし、方針で伝わるようにし、計画で続くようにしていく。鳥取の食を支える市場の未来は、そうした一つひとつの積み重ねから、さらに強くなっていきます。











