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東伯けんこう地域のしごとを、誰かの生きがいへ

特定非営利活動法人 東伯けんこう

会社概要
代表者名
横山 明子
創業
2008
社員数
15
業種名
商業・専門サービス > 専門サービスサービス業
目次

東伯けんこうがつくる「働く」と「暮らす」の循環

特定非営利活動法人 東伯けんこう

鳥取県東伯郡琴浦町に拠点を置く、特定非営利活動法人 東伯けんこう。就労継続支援B型事業所と障がい者グループホームを中心に、障がいのある方々の就労支援と生活支援を行う地域密着型のNPO法人です。農業・水産業と福祉をつなぐ「農水福連携」をはじめ、軽作業、清掃、販売、共同生活支援など、地域の暮らしに深く根ざした活動を広げています。(東伯けんこう)

数字で見る東伯けんこう

ESG総合スコア

30.9

ポイント

業界平均 27.5ポイント

S(社会)

36.2

ポイント

業界平均 25.8ポイント

G:ガバナンス

54.6

ポイント

業界平均 36.6ポイント

労働者の権利

42.49

ポイント

業界平均 27.24ポイント

人的資本

32.93

ポイント

業界平均 24.97ポイント

取締役会カテゴリー

71.89

ポイント

業界平均 32.58ポイント

女性従業員比率

53.85

%

業界平均 31.8%

女性管理職比率

33.33

%

業界平均 14.1%

障がい者従業員比率

3.85

%

業界平均 1.88%

男女間賃金格差の比率

88.89

%

業界平均 67.8%

診断上、東伯けんこうの総合スコアは業界平均を上回っています。特に「社会」と「ガバナンス」の領域に強みが見られ、女性従業員比率、女性管理職比率、障がい者従業員比率、男女間賃金格差の比率など、人に関わる複数の項目で業界平均を上回っています。

「支援」ではなく、地域の中に役割をつくる

東伯けんこうの価値は、単に福祉サービスを提供していることだけではありません。地域の中に仕事をつくり、その仕事を通じて、利用者の方々が「自分も地域の一員として必要とされている」と感じられる場を育てていることにあります。

活動内容は幅広く、大豆の選別、パソコン作業、電子部品の組立といった軽作業に加え、公民館や海岸の清掃、プラスチック類の回収事業なども担っています。さらに、地元生産者や自ら栽培した野菜を使った軽食の販売、直売所や地域イベントでの販売活動も行われています。(東伯けんこう)

こうした活動は、一つひとつを見ると日常的な仕事です。しかし、それらが重なることで、地域の環境を整え、地元の農業や販売を支え、障がいのある方々の就労機会を広げる仕組みになっています。つまり東伯けんこうは、「福祉」と「仕事」と「地域課題」を分けて考えるのではなく、同じ場所で結び直している法人だと言えます。 

農水福連携が生む、地域に根ざしたサステナビリティ

東伯けんこうが力を入れている農水福連携は、地域の農家から作業を受託し、苗作り、移植、除草、収穫、出荷、白ネギの生産、梨の袋かけ、トマトの収穫、ラッキョウの根切りなど、多様な農作業を担う取り組みです。日本海に面した地域性を活かし、魚類の加工処理にも取り組んでいます。(東伯けんこう)

これは、福祉の枠に閉じた活動ではありません。農業の人手不足、地域産品の維持、働く機会の創出、健康づくり、地域交流といった複数のテーマを同時に支える取り組みです。

診断レポート上では、東伯けんこうの「人的資本」スコアは32.93で、業界平均24.97を上回っています。離職率も3.85%で、業界平均6.5%より低い水準です。これは、地域に根ざした多様な仕事が、職員や利用者の方々にとって働き続けやすい基盤になっている可能性を示しています。

多様性が、理念ではなく日々の運営に表れている

東伯けんこうの特徴の一つは、多様性が「掲げられた言葉」ではなく、実際の運営に表れている点です。

女性従業員比率は53.85%、女性管理職比率は33.33%。いずれも業界平均を大きく上回っています。障がい者従業員比率も3.85%で、業界平均1.88%を上回っています。また、男女間賃金格差の比率は88.89%で、業界平均67.8%よりも良好な水準です。

福祉事業を行う法人にとって、「誰もが働き、暮らし、参加できる地域をつくる」という理念は、対外的なメッセージであるだけでなく、組織の中にも反映されていくべきものです。その意味で、東伯けんこうの社会面の強みは、事業そのものと組織運営が同じ方向を向いていることの表れと言えます。

地域の買い物、清掃、資源循環まで支える存在へ

東伯けんこうは、就労支援にとどまらず、地域の暮らしを支える活動にも広がりを持っています。中山間地域では、小さな商店の減少や公共交通の縮小により、日々の買い物が難しくなる方々がいます。そうした地域に対して、移動販売車で食料品などを届ける取り組みも進めています。(CANPAN FIELDS)

また、軟質プラスチックの回収事業にも協力し、可燃ごみとして捨てられていた資源を固形燃料の材料として再資源化する取り組みにも関わっています。(CANPAN FIELDS)

ここに、東伯けんこうらしいサステナビリティがあります。大きなスローガンを掲げるだけではなく、地域の困りごとを一つずつ拾い、仕事に変え、役割に変え、循環に変えていく。そうした積み重ねが、地域社会にとっての安心感になっています。

ガバナンスの強みは、地域に開かれた運営の土台

診断レポートでは、ガバナンス領域にも明確な強みが出ています。Gスコアは54.6で、業界平均36.6を上回っています。特に「取締役会」カテゴリーは71.89で、業界平均32.58を大きく上回っています。診断上の項目では、外部性のある役員比率や女性役員比率も業界平均を上回っています。

NPO法人にとって、ガバナンスは単なる管理体制ではありません。支援を受ける人、働く人、家族、地域、行政、取引先など、多様な関係者から信頼され続けるための基盤です。

東伯けんこうのように、福祉、農業、販売、清掃、資源循環、生活支援など多面的な活動を行う法人では、現場の温かさと同時に、透明性のある運営も重要になります。診断上のガバナンスの強みは、地域とともに歩む法人としての信頼を支える大切な資産です。

次の一歩は、「やっていること」を見える形にすること

一方で、伸びしろも明確です。環境領域では、Eスコアが0.0となっており、GHG排出量、電力使用量、燃料使用量、再生可能エネルギー、環境ポリシーなど、多くの項目で入力データ不足とされています。これは、環境に関わる活動がないという意味ではなく、診断上は「測る・記録する・説明する」情報がまだ十分に整っていないという見方が適切です。

実際には、東伯けんこうはプラスチック類の回収、清掃、農水福連携、移動販売など、地域環境や資源循環に関わる活動を行っています。だからこそ、次の一歩は大きな投資ではなく、まずは月次で電気、燃料、水、廃棄物、回収量などを記録することです。すでに行っている活動を数字で残せるようになれば、環境面の価値はより伝わりやすくなります。

また、有給休暇消化率は20%で、業界平均58%を下回っています。リスク管理スコアも20.00で、業界平均41.10を下回っています。職員が長く安心して働ける体制づくり、災害時・事故時・個人情報管理などのルール整備は、法人の持続可能性をさらに高める重要なテーマです。

地域に必要とされる仕事を、未来につなぐ

東伯けんこうのサステナビリティは、特別な言葉の中にあるのではありません。

畑で体を動かすこと。地域の清掃をすること。直売所やイベントで人と接すること。移動販売で暮らしを支えること。グループホームで生活の安心を支えること。そうした一つひとつの活動が、誰かの働く喜びになり、地域の助け合いになり、まちの持続可能性につながっています。

診断レポートが示した強みは、東伯けんこうがすでに地域の中で積み上げてきた価値です。そして、環境データやリスク管理、働き方の見える化といった伸びしろは、その価値をさらに強く、わかりやすく、次世代へ引き継いでいくための入口です。

地域のしごとを、誰かの生きがいへ。
東伯けんこうの歩みは、福祉を中心にしながら、農業、暮らし、環境、地域経済をゆるやかにつなぐ、等身大のサステナビリティの実践です。